2017年8月に野村総合研究所が空き家率の推移の最新の数字を出しました。
政府は対策をとっているにも関わらず、2033年には30.2%が空き家になるとの予想。
3件に1件が空き家ですので、隣が空き家は普通、という感じになってしまうと思うと非常にさみしいですね。
それでも不動産価格が上がり、マンションは建てられまくっていますよね。
ホームインスペクションとの関連も見ながら見ていきましょう。
空き家率の推移表!ある時期からグンっと!
2017年最新の空き家率は、野村総合研究所によりますと
1973年:268万戸 7.6%
2013年:820万戸 13.5%
2018年:1,083万戸 17.0%
2023年:1,405万戸 21.1%
2028年:1,772万戸 25.7%
2033年:2,166万戸 30.4%
ということで空き家率の推移をグラフにするとこのようになります。
日本が人口減少に転じているのに、少子高齢化対策などが何も取られてこなかったので、2030年頃に空き家が30%を超えて無人のゴーストタウンが全国各地に出現する見通しです。
世帯数の減少が、空き家数・空き家率の上昇をもたらすhttps://t.co/gjnOCyAnhn pic.twitter.com/Legec4FRE7
— 市民メディア放送局 (@info_9) January 5, 2017
感覚的にもこれくらいなるんだろうな、というのがありますね。
60年で9倍近く増えたということですね。
どうして空き家になるのか?
先日、いわゆる空き家問題にあたる、ある館が話題になりました。
その館は父さんした旅館なのですが、主が行方不明になりそこは心霊スポットに。
実際数年前には白骨死体が発見されたし、全国から心霊現象を見るために、若者たちが不法侵入を繰り返し
近隣の迷惑にもなりました。
放火も何度か起き、誰か分からない死者まで出たということで、壊すことも何もできず、非常に困った状態なのです。
それが愛知の千歳楼です。
●肝試し・廃旅館に立ち入った高校生を送検へ(CBC、20170727)
ことし6月、「肝試し」をしようと春日井市玉野町の廃業した旅館「#千歳楼/#千歳樓」に侵入したとして、愛知県内の男子高校生9人を書類送検する方針https://t.co/tgKf0jyxcw#心霊スポット pic.twitter.com/gM6NOhhT6B— 招杜羅 (@shoutora_2017) July 31, 2017
心霊スポットのまとめサイトを見ると、けっこう「空き家」という言葉にぶつかります。
このことも含め、どうして空き家になるかというと
・親が亡くなり、相続したが住む理由がなく空き家に
・遠方
・モノが多すぎてどうにもならなく放置
・優柔不断で、売るか住むか賃貸するか決められずに時間が過ぎている
・年に1回は掃除しに帰っているだけ
といったこととなります。
上の千歳楼のように、家主が失踪してどうなったか分からないと
権限のある市町村もどうしていいか分からない状態となって放置されてしまうようです。
空き家のデメリット
デメリットをまとめると以下のようになります。
・心霊スポット化する
・普通に不衛生
・街の景観の悪化
・治安の悪化(変な人がひっそりと無料で住んだりしてスラム化する)
・放火の対象となる(実際今までも空き家の放火や、火事は多い)
・土地の有効活用がされない
・土地や建物の資産価値の低下
・税金の問題
といったものがあげられます。
空き家に対する国の対策
空き家問題はすでに国も問題視していまして、様々な対策をしています。
・各自治体による空き家条例。所沢で2010年10月1日始めて施行。
簡単に言えば自治体が権限を持って、空き地の所有者に必要な措置を勧告できることです。あくまで所有者が必要なので、失踪した場合は言えない..
・空家等対策の推進に関する特別措置法
2014年11月施行。市町村が権限を持って、例えば、固定資産税の納税記録を照会しての立ち入り調査権限がり、特定空き家について撤去や修繕を命じることが出来る権限があります。
・固定資産税の住宅用地の特例
問題視されてる空き家に関しては、減税の対象にならないとするものです。
譲渡所得も3000万円まで税金がかからないことになっているが、3年空き家だとその対象から外れる。このようにすることで空き家をどうにかしなくては、という意識を強くしている。
・上記に含まれる借主負担のDIY型賃貸借契約
これによって、所有者が賃貸しやすくなります。
買主→修繕されてないが、初期費用なく安い。修繕する際、補助を受けることが出来る
売主→リフォームしなくても簡単に売れる。
このように対策はしているのですが、所有者の知識がなかったりして、そううまくは進んでいないし、広まってもいない、というのが現状でしょう。
ホームインスペクション事例
空き家の価値が分からないから、ホームインスペクションを実施するという事例は少なからずあります。
実際素人には、この家が売れるものなのか、リフォームが必要なのか?など分かりません。
そういう意味で、家の資産価値を具体的に知るために住宅診断、いわゆるホームインスペクションを実施することがあります。
思ったより状態が良ければ高く売ることが出来ますし、
思ったより状態がが悪ければ、上記の借主負担のDIY型賃貸借契約を検討すると良いのかと思います。
まとめ
しかし、それでも予想ではこれからグっと空き家率が伸びる予想です。
人口減なのに、住宅は建てられ続け、最高を更新していきます。
それは不動産バブルが今あるから、というのも一因でしょう。
しかし、東京オリンピック後に不動産バブルはほぼ確実にはじけるでしょう。
そうすることでいっきに空き家は増えてくるのが想像できます。
それも加味しているかもしれません。
ということで、空き家は個々の状況にもよりますが、迷っているならホームインスペクションを実施して
相談するのもいいでしょう。
よいホームインスペクターなら、こうしたらお得、自分ならこうする、という話もしてくれることもあります。
制度は複雑ですが、言えることはひとつ。
「どの選択肢を選ぶにせよ、早く決断した方がいい」
ということです。
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