ホームインスペクションと耐震診断の違い 相場価格や見る視点は?

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安心して家に住むために、受けることが望ましいとされる「ホームインスペクション(住宅診断)」ですが
耐震診断との違いについて、よく質問があります。

今回はホームインスペクションと耐震診断の違いや、ホームインスペクションの費用などをご紹介させて頂きます。

ホームインスペクションとは?耐震診断との違い

▶ホームインスペクションとは

ホームインスペクションは、主に木造の一戸建て(新築、中古を問わず)を対象に行われることが多い、家が傷んでいる箇所や、欠陥の有無を調査する「住宅診断」を指します。
(もちろん木造に限らず建築物であればほとんどが対象となります)

ホームインスペクションは、民間組織が発行する資格を持つ「ホームインスペクター(住宅診断士)」により行われます。
ホームインスペクターの資格は、主に建築士、または、建築業に携わってきた者、不動産売買に携わってきた者などが有します。

 

▶耐震診断とは?

耐震診断とは、国家資格である「建築士」の資格を有する者が、その建物が、国が定めた耐震基準を満たしているかを判断する調査です。

主に木造の一戸建て(新築、中古を問わず)を対象に行われ、地震により、その建物が倒壊することがないか、または、地震により建物が倒壊し、人命が損なわれることがないかを診断します。

 

▶ホームインスペクションと耐震診断の違い

ホームインスペクションは主に、「建物が傷んでいないか? その建物で日常的な生活が可能か?」を診断します。
具体的には、雨漏り、雨樋の詰まり、外壁の剥がれ、室内の壁のひび割れ、床の軋み、床下の腐敗、給水や排水の不具合などを中心に調査します。

耐震診断は主に、「地震が起きても建物が倒壊しないか? 倒壊により人命が失われないか?」を診断します。
具体的には、柱の本数や箇所、筋交いや補強金具の有無、基礎のひび割れ、地盤沈降による土地の異常などを中心に調査します。

この様に、それぞれの役割は大きく異なりますが、ホームインスペクションを業者に依頼した場合、業者が耐震診断を行える建築士であったり、または、耐震診断を行える建築士を雇っている場合などは、ホームインスペクションと同時に、耐震診断を受けることも可能です。

 

対象となる物件と、対象にならない物件 その理由

ホームインスペクションは、主に新築や中古の木造の一戸建てが対象となることが多いです。
業者によっては、新築や中古のマンションのホームインスペクションを請け負う場合もありますが、それは、業者によって様々です。

これは、ホームインスペクション自体が、法律により義務付けられているものではなく、「民間主体で行われているもの」であることが理由です。民間主体で行われるものに対して、対象になる物件の定義が定められることはありません。

しかし、国土交通省は、行われることが望ましいホームインスペクションの検査項目を「既存住宅インスペクション・ガイドライン(http://www.mlit.go.jp/common/001001034.pdf)」として公開し、その後、宅地建物取引業法の改正を行い、2018年4月1日より、中古の戸建住宅を売買する際には、その物件で、ホームインスペクションが行われたかの有無を、購入者に伝えることが義務となります。(※ ホームインスペクション自体が義務化される訳ではありません)

これにより、ガイドラインがより具体化され、ホームインスペクションの定義が狭まり、対象となる物件と、対象にならない物件が明確になる可能性もあります。

詳しくは関連記事をご覧ください。

ホームインスペクションと耐震診断の相場価格

ホームインスペクションを受ける際の相場は、目視だけで行う場合は、業者により異なりますが、5万円~6万円前後とされています。

しかし、大型の機械を用いる検査を行う必要がある場合は、この限りではありません。その場合、業者がその機械を扱え、尚且つ機械を持っている場合は、費用が抑えられますが、業者が他の業者に追加検査を依頼するなど、新たな経費が必要となる場合は、10万円を超える場合もあります。

耐震診断の相場は少し高くなりまして15万前後が相場となります。

 

税制優遇される?

残念ながら、2017年現在、ホームインスペクション単独のものに対しての税制優遇措置はありません。
しかし、長野県など一部の地域では、ホームインスペクションに対しての補助金が出る場合があります。

これは、ホームインスペクションを行う業者が、国土交通省が行う「住宅ストック循環支援事業(https://stock-jutaku.jp/)」により、国土交通省に登録した業者である場合に限られ、また、地域により補助金が出ない場合があるため、詳しくは、お住いの地域の自治体(都庁や県庁などの役所)に問い合わせる必要があります。

リフォームする場合には、リフォームの一環としてホームインスペクションが必須で、補助金が出ます。これも関連記事を参考にしてください。

また、耐震診断を行い、耐震性があると証明される、または、耐震工事を行い、建物が耐震基準を満たしたと証明された場合は、住宅ローン控除が適用されたり、固定資産税が安くなるなどの税制優遇措置があります。

この場合は、耐震診断を行った後に、業者から「耐震基準適合証明書」を受け取ることを忘れてはいけません。

耐震診断のメリットとデメリット

耐震診断を行い、耐震性があると診断されれば、地震で建物が倒壊する虞がないなど、精神面での安心感があります。

また、戸建て住宅で耐震診断を行い、建物が耐震基準を満たしていることが証明されれば、住宅ローン控除が適用されたり、不動産所得税や固定資産税が安くなるなど、税制面のメリットがあります。(これは、新築の戸建て住宅だけではなく、条件を満たせば、中古物件でも適用される場合があります)

耐震診断を行うことによるデメリットは特にありませんが、建築基準法により実施される耐震診断は「建物が倒壊しないか判断するため」に行われる訳ではなく、「地震により、建物内の人命に危険が及ばないかを判断すること」を目的としているため、耐震基準をクリアしても、地震により建物の一部が崩壊したり、水道管が壊れるなどの危険性は払拭できません。

2017年6月に長野県のおんたけ休暇村が耐震工事をしたにもかかわらず震度5強で倒壊したことが話題になったように
建物が老朽化していれば耐えられないこともあります。

耐震診断を行い、耐震基準をクリアすることにより、建物が安全になったのではなく、建物に住む、居住者の命が安全になったと考える必要があります。

もし、耐震工事をした方がいいとわかったら?

耐震診断を行った後に、建物に耐震性がないと診断され、尚且つその建物が、地震が頻発する地域にあり、その上で資金に余裕があるのであれば、速やかに耐震工事を行うべきです。

耐震診断を行った業者が、耐震リフォームも請け負っている場合は、耐震工事を提案されることもあります。また、建築事務所などに耐震診断を依頼し、耐震性がないと診断された場合は、耐震リフォームを行う業者を紹介してくれる場合もあります。

耐震工事の費用は、業者により様々ですが、財団法人日本建築防災協会(http://www.kenchiku-bosai.or.jp/)が公開する資料(http://www.kenchiku-bosai.or.jp/files/2014/05/hiyou.pdf)によれば、概ね100万円から150万円程度となっています。

工事は、天井や室内の壁を撤去し、柱に接合金具を取り付けたり、筋交いや火打ち材(補強材)を追加するため、大掛かりになりますが、国や自治体による助成金制度があるため、それを使えば、費用は安くなります。

また、補助金制度は、お住いの地域により異なりますが、耐震診断自体に適用される場合もあります。

当サイトで紹介している業者は耐震診断も承っています。

 

まとめ

ホームインスペクションと耐震診断の違いなどをご紹介させて頂きました。

ホームインスペクションは、民間主導の検査のため、2017年の時点では、さほど重要性を感じません。しかし、中古物件を売買する際に、購入者に対して、ホームインスペクションの有無の通知が義務化される、2018年4月1日以降は、今より重要なものとなりそうです。

また、戸建住宅に関してのホームインスペクションや耐震診断は、ある程度であれば、自分で行うことも可能です。(※ 自分で行う場合は、過信は禁物で、「おかしい」と感じたらプロにお願いする、というレベルの意味です。)

中古物件を購入する際に、天井にシミがあれば、雨漏りのリスクがあり、また、床が軋む場合は、シロアリやカビなどにより、床下が腐敗している可能性があります。

さらに、一階より二階の面積が大きいなど、見るからにバランスが悪い建物や、増改築を繰り返している建物は、耐震性が低い場合があります。これらの判断は、このサイトを読むことで、自分でも充分可能です。

それでも最後は、信頼できるホームインスペクション業者や、耐震診断をしてくれる業者に頼むべきです。
私がいろいろな業者を調べた感じでは、信頼できる業者ほど、どちらも取り扱っています。
片方しか扱っていない業者は、悪いと断定するほどなんでも知ってるわけではありませんが、
瑕疵が見つかった後に、頼れないという印象です。
やはり、瑕疵を見つけた信頼できる業者が、修理などを担当してくれるとスムーズですし、そこに保険の知識などがあると
一層ありがたい存在となります。

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