賃貸暮らしから脱却すると意気込み、誰もが張り切って購入するマンションですが、
実は10年から15年程度に1度、外壁を塗装するなど、
「マンション大規模修繕」と呼ばれる、大掛かりな工事を必要とします。
それらの費用は、管理費と共に毎月支払う「修繕積立金」や、大規模修繕工事を行う際に支払う「一時徴収金」などで賄われますが、居住者にとって、いずれも手痛い出費となります。
マンション大規模修繕の費用の目安などをご紹介させて頂きます。
目次
マンション大規模修繕費用目安は?
マンションの戸数や階数、屋上の面積、築年数、痛み具合により異なりますが、東京都都市整備局が平成23年8月1日に、都内の分譲マンションを対象に行ったアンケートによれば、うち35%が1000~3000万円、22.2%が3000~5000万円、15.2%が5000万円~1億円となっています。
これは、マンション全体に掛かった費用ですが、一戸あたりにすると、
一番多かった割合は、60万円以上から90万円未満で、
次いで90万円以上から120万円未満
と、いずれも高額です。
マンション大規模修繕費用はなぜ必要か?
マンション大規模修繕は、居住者がマンションに快適に住み続けることができる様に、また、マンションの資産価値を維持するために行われます。
大規模修繕は、マンションにより異なりますが、10年から15年に1度を目安として行われ、外壁補修工事、鉄部塗装工事、屋上防水工事、給排水管取替工事などが主な工事内容で、これ以外にも、マンションの住み心地を向上させるために、エレベーター部分、集会室などのバリアフリー化工事、防犯性向上工事、光ファイバーケーブル導入などの情報通信設備導入工事なども行われます。
マンション大規模修繕費用は、これらの工事を行うために必要です。
マンション大規模修繕の反応まとめ
高額な費用を必要とするマンション大規模修繕ですが、現在、大規模修繕工事が行われている、マンションにお住まいの方のご感想をご紹介させて頂きます。
出典:twitter
マンション大規模修繕と言えば、大きな足場が特徴ですが、足場に対しての不満や、費用に対する不満が多い様です。
修繕は売却査定に影響する?
場合によりますが、マンション大規模修繕を済ませたマンションの売却価格が、相場より高くなることは稀です。しかし、大規模修繕を済ませていないマンションや、大規模修繕が近く行われるマンションは、売却価格が低くなったり、買い手が付きにくい可能性があります。
また、マンションの管理組合が機能していないなどの理由により、長年に渡り、大規模修繕が1度も行われていないマンションは、外壁の汚れや痛みが目立ち、それにより売却価格を高く設定できず、結果的に、マンションの売却価格が相場より安くなる可能性があります。
この様に、マンション大規模修繕は、売却価格を高くするために行われる訳ではなく、住み心地や売却価格(資産価値)を維持するために行われる工事と言えます。
ちなみに、マンションを売却するまで、大規模修繕のために支払った積立金は、マンション売却後に売り主に戻ることはなく、購入者に繰越されることが一般的です。
中古マンション購入時に確認すべきこと
中古のマンションを購入する際には、立地条件や間取りも大切ですが、購入するマンションに、どの様な大規模修繕計画があるか、また、修繕工事の費用の目安を確認することが重要です。
例えば、大規模修繕のために、居住者が積み立て金を毎月支払う場合は、その額を確認する必要があります。さらに、大規模修繕の際に一時徴収金が必要なのであれば、その額を確認する必要もあります。(※ マンションによっては、積立金と一時徴収金の両方が必要な場合もあります)
これらの手間を怠り、中古のマンションを購入し、購入直後に大規模修繕が行われ、それに伴い一時徴収金が必要な場合は、思わぬ出費となります。
また、それらの事柄は、仲介する不動産業者が、詳細を知らないことがあるため、マンションの管理組合に直接問い合わせ、現状や大規模修繕の費用の目安を確認することが大切です。
尚、マンションの大規模修繕費用は、工事の度に値上がりし、それに伴い、毎月の積立金も値上がりすることが一般的です。積立金の値上がり傾向の確認も忘れてはなりません。
マンション大規模修繕の費用を安く抑えるには?
マンション大規模修繕は、居住者により組織化された、管理組合の決定により行われます。また、工事内容や、工事を依頼する業者も管理組合の決定に委ねられます。
マンション大規模修繕の費用を安く抑えるには、まずは管理組合の役員となり、適切価格で大規模修繕工事が行われる様に、自ら監査する必要があります。大規模修繕が適切価格で行われれば、月々の積立金の値上げを、ある程度安く抑えることが可能です。
また、一般的にマンションは、初期にマンションを販売した業者が決めた、管理会社により管理が行われ、大規模修繕工事は、管理会社が斡旋する工事業者により行われます。
管理会社が斡旋した工事業者が行う大規模修繕工事は、クオリティが高く、保証なども期待できますが、多くの場合、工事費用は相場より高額となっています。
マンション大規模修繕の費用を安く抑えるには、管理組合が管理会社に頼らず、自らの手で、クオリティが高い工事を適正価格で手掛ける業者を探す必要があります。
管理組合が業者を探すのが困難な場合は、マンション管理士による、専門のコンサルタント(顧問)を雇うという方法があります。コンサルタントを雇うにも費用が必要ですが、コンサルタントは、大規模修繕の費用の目安を知っているため、最終的には、管理会社が斡旋した業者が行う大規模修繕より、費用が抑えられる可能性があります。
また、居住者に土木関係の就業者がいらっしゃる場合は、それを伝手に業者を探すという手もあります。伝手を完全に当てにすることはできませんが、紹介された業者から見積もりを取れば、費用の目安を知る手掛かりとなります。
まとめ 適正な修繕工事で、マンションを長持ちさせる!
マンション大規模修繕の費用の目安などをご紹介させて頂きました。マンションは一戸建てと異なり、居住者全員で修繕工事の費用を捻出するため、上手く足並みが揃わず、大規模修繕が滞るなど、様々な問題があります。
しかしマンションは、立地条件や交通の便が良く、高層階からの眺めが良いなど、数多くのメリットも存在します。適切な大規模修繕を定期的に行い、マンションを長持ちさせれば、それらの恩恵を長期間受けることが可能です。
マンションにお住まいの場合は、大規模修繕を他人事と考えずに、管理組合に参加し、自ら率先して大規模修繕を行うことが大切です。
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