ホームインスペクションを嫌がる業者の本当の理由

 \気軽に不動産売却査定/

ホームインスペクションをしようとすると不動産業者が嫌がる、という話はよく聞きます。
もちろんもし、悪い結果だったら契約が不成立になる、というのがあるので嫌がるのは当然といえば当然なのですが
実際に不動産業者の方に話を聞いたら、私たち消費者が思っている以上に、いろいろと事情があるようです。
私たちはそういう事情を考慮した上で、それでも「ホームインスペクションやらしてください!」と押し切るべきなのでしょう、と
思いましたのでシェアしていきます。

ホームインスペクションを嫌がる業者の本当の理由

ホームインスペクションを嫌がる業者の理由は、我々が想像できるもの以上にいろいろな事情があります。
それは別記事でも、リアルな不動産業者さんのインタビューのところでもお伝えいたしました。
ホームインスペクションのトラブル体験談その5 不動産会社から言わせるとな…

まずは、売る物件にもよることを把握しておきましょう。

1、不動産業者が保有している物件というパターン
2、個人の売主でそれを不動産業者が仲介しているパターン

実は2つのパターンがあります。

1、不動産業者が保有している物件というパターン

1は私もあまり見たことがないのですが、こういうパターンも少なからずあるようで
この場合は1よりは嫌がられる可能性は低いです。

不動産業者は瑕疵保険に入ることが義務化されているため、もしホームインスペクションで欠陥が見つかったら
瑕疵保険から補償される可能性が高いからです。

ただし、やはり瑕疵が見つかれば買主は、「信頼できないから買うのやめます」と言い出す可能性もありますし、
どちらにせよ、書類の用意などは非常に面倒なようです。

もし契約不成立であれば、不動産業者はタダ働きということになりますので、嫌がる人がいるわけです。

 

2、個人の売主でそれを不動産業者が仲介しているパターン

基本的にこのパターンがほとんどでしょう。8割がこのパターンと言われます。
このパターンでは、瑕疵保険に入っていることはほとんどなく、現状有姿取引となるため
売主は、基本的に瑕疵を補償する義務が存在するか曖昧です。(これについては後半に述べます)

.
*現状有姿取引=契約締結後引渡までに売買の目的物の状況に変動や変化があった場合でも、売主はその点については責任を負わない。
契約締結の際の状況を復元して引き渡す義務はなく、引渡時の状況のままで引き渡す義務があるにすぎないという意味

ですので、仲介している不動産業者としては、瑕疵が見つかった場合どうすることもできないわけで
契約不履行または契約前に断られておしまい、というパターンになるので
マイナスでしかないのです。

まとめると、不動産業者は

・ホームインスペクションに関する資料を用意する手間
・契約なしにされるリスク
・瑕疵が見つかり信用を落とすリスク
・中古物件において瑕疵が見つかるのはザラなので、それをこちらの責任のように言われても困るし、インスペクターによっては誇大に業者の責任を追及してくる
・瑕疵が見つかった時に、インスペクターに不動産業者または売主が直すべき、と道理的なことを言われても困ること(現状有姿取引のため)
・瑕疵が見つかった時に、買主で直してほしいとしか言えなく、逆に嫌な顔をされること

 

といった、メリットがほぼない、というところにあります。
何も瑕疵がない、ということは中古物件だとあまりないので、関係が壊れやすいからです。

ただし、体験談にもありましたように、何も瑕疵がなかった時に、非常に良好な関係となるパターンも一部見られました。

必ず、取引前に「瑕疵担保責任」について確認する

ただし、気をつけなければならないのは必ずしも
「現状有姿取引」=「瑕疵担保責任免責」ということではないようです。

このへんが曖昧なので、契約後に瑕疵が発見された場合に誰に責任があるのか?とトラブルになることが多いので
必ず契約前に「瑕疵担保責任」について明確に期間付きで確認しておいた方良い、と専門家の方にアドバイスされました。

瑕疵について、売主が「知っていた」「知らなかったからしょうがない」というのも、トラブル例でよくありますね。
これらのいざこざを防ぐために、「瑕疵が発見された場合に、売主が責任を負う、負わないについて期間などを明確に」しておきたいものです。

 

まとめ

これらのことから、不動産業者としては、書類のわずらわしさ・タダ働きのリスク・売主と買主の板挟み、などがから嫌がることが多いということですので、それは理解した上で、ホームインスペクションを押切りたいところであります。

逆の立場で何も知らないでわが物顔で「ホームインスペクションをしなきゃならん!」って言われるとカチンときますよね?
なので、「いろいろと煩わしいことをお願いするけれどどうしてもやりたい」と手土産でも渡して行動した方がいいですよね。

高い買い物ですからついつい感情的になったり、懐疑的になったりしますが
不動産業者さんのことも考慮した上で、正しい行動をしていった方が、後々のトラブルも大きくなりにくいと思います。

どちらにせよ、中古物件は特にホームインスペクションをした方がいいでしょう。
瑕疵保険などにも強いホームインスペクションが出来る会社は限られています。

当サイトではそういった会社のホームインスペクションを推奨しておりますので是非参考にしてください。

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