耐震工事を施した「おんたけ休暇村」が、6月の震度5強の地震で休業となってしまったことに対して「耐震工事をしたのになぜ?」という声が上がっています。いったいなぜ耐震工事をしたのに震度5強の揺れで休業にまでなってしまったのでしょう?本当にちゃんと工事はされていたのでしょうか?今回は、おんたけ休暇村休業の詳細と耐震工事の信頼性についてまとめていきたいと思います。
今回の件は、ホームインスペクションの特に中古物件に関して通じるところがあるのかな?と思い取り上げてみました。
耐震工事の宿泊施設が長野震度5強の地震で休業に
6月に長野県で発生した震度5強の地震。この地震によって王滝村の宿泊施設「おんたけ休暇村」が被害を受け、休業となってしまいました。
このおんたけ休暇村は2年前に2億円の費用をかけて震度6弱に耐えられる耐震工事を行ったばかり。にもかかわらず、今回の2017年6月25日の震度5強の地震で柱や壁が破損。7月の予約約980人分をキャンセルし、8月も予約をすべて断ることとなっています。
どんなところかをツイッターで拾ったものを紹介します。
展望台+おんたけ休暇村ロッジ+御嶽山 pic.twitter.com/HFU2gAZHpV
— ひょんさん@おんたけ (@hyon3_ontake) December 28, 2015
おんたけ休暇村「こもれびの湯」大人500円 子ども300円
加温した源泉かけ流し。シュワシュワ飲泉もあります。
久しぶりに来たけど、のびのび入れた~。
木曽御嶽にお越しの際はぜひお立ち寄りください(=゚ω゚)ノ pic.twitter.com/mYefuPlTOZ— g_g_chon (@g_g_chon1) October 8, 2015
場所的には以下のようになります。
震度6弱にも耐えられる耐震工事をした施設がなぜ震度5強の揺れでそこまで破損してしまったのでしょう?
本当に工事はちゃんと行われていたのでしょうか?
耐震工事の相場や信頼性について
おんたけ休暇村にきちんとした工事がなされていたかどうか、結論を出す前に耐震工事の相場やその信頼性についてまとめてみます。
耐震工事は補強箇所や内容によってばらつきがあるものの、平均費用は約120万円となっています。これは一般的な家の場合で、今回のおんたけ休暇村のような大きな施設では何億円もかかってしまうわけですね。
耐震工事は場所によっては100万円以下でできたり、国や地方公共団体からの助成金によってお得に工事ができたりもします。
そして耐震工事の信頼性についてですが、そもそも耐震工事というものは人間の体で言えば病気を治す治療行為に近い意味合いで、決して寿命を延ばすためのものではないようです。
つまり、地震に対する耐性をつけることはできても、根本的に建物の強度を高めることはできないということです。勘違いしがちですが、耐震工事とはそういうものなのです。
震度5強で休業に追い込まれた理由
そして今回、震度6弱の揺れにも耐えられる工事を施したおんたけ休暇村が震度5強の揺れで被害を受けてしまったのはなぜか?
これはおんたけ休暇村の施設自体が老朽化していたからでしょう。おんたけ休暇村は築40年以上で、建物は老朽化が進んでいます。そんなおじいちゃんのような建物に耐震工事を施したからといって、大きな地震に耐えられるでしょうか?
イメージとしては、一人では立っていられないおじいちゃんに杖を持たせたようなものでしょう(ちょっとオーバーですが)。
いくら支えになるものを持っていたとしても、持っている本人の体力に問題があるなら大きな衝撃に耐えることは難しいということです。よって、今回耐震工事をしたおんたけ休暇村が想定内の揺れで破損したのはある意味「必然」だったという言い方をする専門家もいるようです。
もちろんお金を払った側としては、「なんのためにお金を払ったんだ!」ということになるでしょう。そのへん訴訟するか、仕方ないことなのかは当事者同士の判断になりますので、第3者がとやかくいうことではありません。
震度5強で休業 反応まとめ
耐震工事をしたおんたけ休暇村が震度5強で休業してしまったことへの反応をまとめてみました。
「本当に震度5強に耐えられる強度だったのか?」
「耐震工事は地震で崩壊しにくくするためのもので、傷がつかないわけじゃない」
「むしろ耐震工事しておかなきゃ今頃全壊してたかも」
「耐震工事もある意味賭けだなー」
「耐震補強したら壊れないとでも思ってるの?」
「崩壊しなかっただけでも効果はあったのかも」
「同じ震度でも揺れ方で被害は変わるからね」
「死傷者もいなかったんだし意味はあったんじゃない?」
「なんで耐震強度6の建物が震度5の地震で?」
「手抜き工事じゃないの?」
出典:https://goo.gl/hxfR5h
奥深いコメントもありますよね。本当にそう思います。
まとめ
震度6弱に耐えられる耐震工事をしたおんたけ休暇村が震度5強で休業となってしまったのにはきちんと理由があったようです。これを機に耐震工事の定義や効果をきちんと覚えておきたいですね。建物が老朽化しているなど、場合によっては耐震工事をするよりも建て替えをしてしまった方がいいとのこと。耐震工事を検討する際は建物の耐用年数や現在の強度なども考えた上で決めたいですね。
・耐用年数も考慮して、補修か建て替えかを考えるべき
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